中絶~僕は君を殺したい~
さようなら
9-1 わるいゆめはおわらない







ぼくは眠れなくなった。





眠ってしまうとゆめを見るんだ。





優樹のゆめだ。




すいみんやくを渡されて飲んでも三時間ほどで目がさめる。




まるでエレベーターの中にいるようだ。



吐きそうになる。




ぼくは夢の中で優樹とあきと三人で楽しくくらしているんだ。




泣いている。



目が覚めると必ず泣いてしまっている。




こんなに思いがふくらむならあの時ってあたまによぎった。





じぶんがこわくなる。




こんなことを考えるぼくがいやになる。




死ぬならぼくの方だった。



ぼくが代わりになれたのなら、と思った。



今、優樹は何をしているんだろう。



一人でさみしくないのかな。



ぼくは眠れなくなった。




ひにくなことに優樹をうしなってから父親としてのじかくが出来たんだ。
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