中絶~僕は君を殺したい~
10‐3 たおれる




「顔色悪いな…大丈夫なのか?」



ぼくがコーヒーを一口飲むとどうじにたずねてくる。



「さいきん仕事がいそがしいからな。主任になったんだ」



「しゅっせだな」



「よけいな仕事が増えただけなんだけどね」


日差しがキツイ。



「で、何かあった?」



ぼくが聞いた。



「さいきんあきちゃんと会ってないんじゃないか?」



「わざわざあきの仕事場でする話じゃないな」


笑いながら答える。



「たまにはいいだろう?こういうのもさ。しんせんで」



太陽にすいこまれそうになる。



身体がふくらんで…それで…



「いつき。」



ゆうやの声が聞こえる。



遠くに…。



水の中にいるみたいに…遠くに…



あれ?と思ったのとどうじに太陽が消えたんだ。



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