砂漠の王と拾われ花嫁
ガラーナの背にぶら下げていた飲み物を抱き起こした莉世の口へあてがう。



「リセ、飲むんだ!」



脈が酷く遅い。



口に容器を当てても莉世の口からは水がこぼれてしまう。



「クソッ!」



ラシッドは水を口に含むと莉世の唇をこじ開けるようにして口移しをする。



コクッ・・・



少しだが水は喉を通った。



「リセ、気がつけ、目を開けるんだ!」



あのエメラルドグリーンの瞳を見せて安心させてくれ。




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