砂漠の王と拾われ花嫁

ショック

ラシッドがふらつく足で池のそばに屈みこんでいる莉世に近づく。



足音に莉世が顔を上げた。


その顔は酷く青く見えた。



「リセ、もう心配ない・・・」



そう言ったラシッドは目の前が一瞬真っ暗になりガクッと膝が地面に付いた。



「お兄様っ!」


莉世はラシッド懐に入って支えようとした。



「・・・お前は大丈夫か?」



「・・わたしは・・・わたしは・・・」



男たちの唇の感触を思い出して身震いした。



グリーンの瞳を持つ目からは涙が溢れ始めた。



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