砂漠の王と拾われ花嫁
「ええ、どんな病気にでも聞くという万能の薬よ」


「そんな薬、初めて聞くわ」


「あら?侍医は知っているはずよ?彼の部屋にあるんですもの」



「ではどうしてわたしに使ってくれないの?」



そのような万能の薬があるというならば侍医が使ってくれるはず。



「侍医も貴方がラシッド様のお后になるのを反対しているのよ だから左手が動かないままにしている」



「侍医の部屋に行ってみなさい ブルーの液体の入った小さな瓶があるから それを飲めば左手は元通りになるわ」



「なぜそんな事を教えてくれるの?」


莉世には納得いかない。



「だって、正々堂々と戦いたいじゃない?それではごきげんよう」



フフッと笑って取り巻きを連れファティマは行ってしまった。



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