砂漠の王と拾われ花嫁
「お父様・・・」



不安そうな顔になった娘を見てタヒールは頷く。



「お前の地位は危なくなる」



殿下の心はあの娘に向いているのだから、治ったならば実力行使に出るだろう。



「そんなバカな!」



ファティマは両手で顔を覆った。



「ファティマや・・・そう嘆くな。わたしが何とかしてやる」



うなだれる肩を数度叩く。



「お父様・・・何とかって・・?」



「もうあの娘を生かしておく事は出来ない」



タヒールは決心した。


< 454 / 491 >

この作品をシェア

pagetop