砂漠の王と拾われ花嫁
それから数日が経ったがいまだに莉世は目覚めない。






「殿下、このままでは姫様は・・・・」



侍医は莉世を診てから悲しそうな顔をしている。


熱が下がった事に一同は喜んだものの、いっこうに莉世は目覚める様子がない。


このままでは体力はどんどんなくなるばかり。


ラシッドは莉世の頬を掌で包み込む。


頬はひんやりと冷たい。


お前は手の届かない所へ行ってしまったのか?



「・・・・殿下、もう一度『秘薬』を姫様に飲ませてみませんか?」


侍医はよく考えた末の言葉だった。



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