砂漠の王と拾われ花嫁
ライラはすぐに薬を持ってきた。


塗り薬を赤紫に腫れた手首に塗っていく。


スーッとして気持ちが良かった。


「熱を持っています 数日は痛むでしょう」


誰が姫様にこんな事を?


ライラは考えたが宮殿の殿下の住居で姫様を脅かすものなどいない。


しかし、昨晩から殿下はいらっしゃらなかった。



ライラの疑いの視線を受けても莉世は黙っている。



「殿下もじきにお気づきになりますよ?」


「大丈夫よ お兄様はお忙しいから」


手当てが済むと、莉世は捲くっていた袖を元に戻して立ち上がった。


「ライラ先生 ありがとうございました」


莉世はにこっと笑ってお礼を言った。




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