「仲が良い三人組がいたんだけどね、その中の一人がいない時、必ず悪口を言ってた。三人のうちの誰が抜けても、二人で悪口言ってた」


でも俺は、女子の事情を知らなかった。

俺は男だから、愛海とは少し違っていたんだ……。


「それをずっと見てたら、だんだん怖くなっていったの。信じられなくなっていった。あたしも悪口言われてるかもしれない、嫌われてるかもしれないって」


あの笑顔の裏で、ずっと思っていたのか?


「でも、カナちゃんはあたしを好きって言ってくれた」

「そんなこと言ったっけ!?」


あぁ、菅原の視線が……。

いや、その前に身内なんですけど。


「言ったよ。あたしのこと嫌いじゃない?って聞いたら、好きって言ってくれた。すごく気持ちが楽になって、カナちゃんの隣にいると安心出来たんだよ」
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