そして三人で帰ることになった。



……ところがこの麻里亜って人は、俺と同じ方向だったため、菅原の家と真逆。

その方向にさりげなく足を運ぶ菅原は、恐らく彼女が家に帰るまで今日はQモードを貫き通すつもりでいるのだろう。



でもつまりそれってもしかして俺、家の近く行ってからまた菅原送って行くということになるのだろうか?

もはや遠回りするこの日常になれてしまっていた。



「ここまで学校から離れれば、いいかしら。とりあえず名前のことだけど……」



ビクッとまた肩を跳ねさせた彼女は、菅原を驚いた眼で見返した。

さっきから彼女の様子が変だ。



「話していいかしら?」

「……Q様は知っているのですか?」

「全校生徒の顔と名前は覚えているわ」



……ついこの前までは新入生は覚えてなかったくせに、早い……。

いや、それより彼女と菅原はやっぱり知り合いではなかったようだ。



「……私が、話します」
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