。☆゜星空゜☆。


それからオール明けだったあたしは、ずいぶん長く寝ていた。


んっ……!?あれ?翼?


あたしが起きたのは夜の9時。


隣に翼はいなかった。


ヤバイ!また寝過ぎだよね。


あたしは翼がしたの部屋にいると思い、降りていった。


「翼っ!?」


リビング、トイレ、お風呂場、家中を捜した。


どこか行ったのかな?


電話をしようと二階へ上がろうとしたとき、


「流奈ちゃん」


あたしはお兄ちゃんに呼び止められた。


「あっ、お兄ちゃん!いたんですか」

「おう!今日はひきこもりだよ」

「そうなんだぁ。あっ、そういえば翼、知ってます?起きたらいなくて……」

「えっ?あぁ……、なんか用事できたみたいで、出かけてくるって1時間くらい前に出たよ。すぐ戻るから流奈に心配しないように言っておいて、って言われてさ」


そことなく様子が変なお兄ちゃんにあたしは不安を感じながらも、


「じゃあ、大人しく待ってます」と言って、2階に上がった。


なんか変……。


翼、なにも言ってなかったのに、用事って。


怪しく思い、翼に電話をかけた。


トゥルルルルーーートゥルルルルーーー。


翼に電話をかけ、こんなにも長い時間コールを聞いていることなんてなかった。


あたしの電話に出ないこともなかった。


なに……、なにかあったの?


どうしたの?翼……。


あたしは翼を捜しに出ようと洋服を着て、ピッチを片手に玄関へ向かった。


そのとき、


「流奈ちゃん!どこ行くの?」


お兄ちゃんが慌てて部屋から出てきて、あたしを呼び止めた。


「翼、電話にも出ないし、少し探してこようと思って」

「ダメ!絶対ダメ!!翼はすぐ帰ってくるから。もし、またなにかあったら……」


そこでお兄ちゃんはマズイって顔をした。


そして、あたしから目を反らした。


不自然なお兄ちゃんを、あたしは見逃さなかった。


< 129 / 192 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop