。☆゜星空゜☆。


「翼は……、翼はね、これから生まれまわるんだよ……」


その言葉にあたしは驚きを隠せなかった。


「もう一度、もう一度ね。流奈ちゃんと出逢うために、あいつは生まれかわるんだ」
 

あたしは大声で泣いた。


「だから、笑っていて。笑ってるんだよ」
 

翼があたしに最後、電話で残した言葉を……、彼は言っていた。


「翼……、悲しむから。流奈ちゃんが笑顔失ったら」
 

彼も泣きはじめた。あたしを支えてくれていた人たちも、声を震わせて泣きはじめた。


「わかりました」
 

あたしは静かに立ち上がり、みんなに頭を下げて微笑んだ。


みんなあたしを見て泣いていた。


そう、あたしだけじゃない。


翼がいなくなった悲しみは、みんな同じ……。


「行かなくちゃいけないところがあるので行きます」
 

みんなにもう一度頭を下げて、その場から離れた。


すると、さっきの男の人が追いかけてきて、あたしに傘をくれた。


「濡れちゃうから。これさしていって」

 
そう言うと、あたしの手に傘を持たせてくれた。


「ありがとうございます」

「流奈ちゃん、翼の分までちゃんと生きてね」


あたしはなにも言えず、ただ……、うなずいた。
 

そして、翼との思い出の場所へと向かった。
 

翼、待っててね。
 

精一杯の微笑みを浮かべ、あたしはひとり歩きだした。



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