。☆゜星空゜☆。


3枚にわたって書かれていた翼の手紙を握りしめ、翼のいる海で泣き叫んでいた。


あとでわかったことだけど、翼がお兄ちゃんに「俺がもしもこの世からいなくなったら、10年後、流奈に渡してくれ」と言い残し、


お兄ちゃんがずっと大切に保管してくれたものだった。



“泣きたいときは泣けばいい”



手紙の中の言葉に今までたまっていたものが、溢れ出した。


翼を失って、自分を責めつづけて過ちを繰りかえし、堕ちていったあたし。


つらくても、苦しくても、ずっと笑っていればいい……。


そう思っていたあたしは、いつからか心から笑う喜ぶを忘れ、どんなときでも笑うことを覚え、


ただ、翼との約束だけを守りつづけていた。


でも、この日、天国にいる翼からの手紙で、本当の自分を取りもどしたとき、


はじめて失われた10年を受け止められ、微笑むことができた。


あたしは、また翼に救われたね。





本当の笑顔の意味を知ったあたしは、今日も笑顔でいる。


また翼に逢える、その日までーーーー。







。☆゜星空゜☆。 “完”



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