。☆゜星空゜☆。


変なこと言っちゃったかな。


そう思ったら、あたしも何も言えなくなった。


「ここにいたら、また来るかもって……」

「……翼?」

「やっぱ変だな、俺って。なに言ってんだか~。ごめん」

「ううん、流奈もまた逢いたいって思ったよ。翼のこと考えてた……」

「流奈?逢いたい……」

「流奈も……」

「迎え行く!近くになったら電話する」


勢いのいい言葉のあと電話が切れた音だけが残り、あ然とした。


それから、翼はすぐに単車で迎えに来てくれた。


そしてあたしを乗せて走り出した。


着いた先は海。


誰もいない海ーーーー。


「なぁ、流奈って彼氏いんの?」

「えっ、なんで?」


夜の砂浜に座ってると、翼が聞いてきた。


「いるのかなぁ……って」

「うん、でも今日、別れてきた」

「はぁ?今日!?……って、俺をバイバイしてから?」

「うん……」

「あっ!だから電話くれなかったんだ」

「違うよ、電話で話したの!しかも一方的に」

「俺のせい?」

「違うよ~!なんで翼なの?もうね、疲れちゃったんだ、彼氏の愛も暴力も」

「流奈?それ、男にやられたの?」

「あっ……、うん」

「……信じられねぇよ!信じられねぇ……」


しばらく翼は黙ったままだった。


それから、あたしの顔に触れた。



< 35 / 192 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop