*あたしの好きな人*
「龍さん、普段もけっこう夜は遊び歩いたりしてる人なの。でもね、祐介も一緒にいて、だから女関係とかじゃなく、友達でたまってたりするだけで。たまに絡まれてケンカもしてたんだって。でも龍さん強いから、負けたことないんだよ!ってそんなことはいいんだけどね‥‥でも今は‥‥龍さん、いろんな女連れて、好きでもなければ彼女でもなくて、祐介の誘いも断って、フラフラして女と遊んでるんだって。それからケンカも絶えなくなってて。常に何かイライラしてるみたい。」
あたしは奈々が言っていることが
よく理解できない。
というか、理解したくない。
え?
なんだっけ?
龍が、たくさんの女と関係を
持ってるってこと?
なんで?
ケンカ?
龍、なんでケンカするの?
「柚?大丈夫?やっぱ聞かないほうがよかったかな。柚がまだ龍さんのこと好きなら知ってほしかったんだ。でも今横山とうまくいってるなら、今のことは忘れて?」
「‥‥‥わけないよ。」
「え?」
「忘れられるわけないよ!聞いてしまったんだもん!龍が好きなんだもん!」
「じゃぁ‥‥それじゃぁ龍さんを助けて。祐介も、あんな龍は見てられないって‥‥」
「助けるって‥‥あたしに何ができるの?あたしじゃどうにもならないかもしれないし。」
「やってみなきゃわからないじゃん!柚が龍さんに会って話聞いてあげるだけでもいいと思う。」
「‥‥わかった。奈々、龍はいつもどこにいるの?」
「駅前のコンビニによく行くって聞いたよ。柚、よく考えてね。」
「うん、教えてくれてありがと。」
電話を切ったあと、
あたしはしばらく放心状態だった。
何をどう考えればいいの?
何から考えればいい?
だって、龍のところに行って
どうすればいいかわからないし、
雄太のことだってある。
どっちも中途半端にはできないし、
あ〜わからない!
頭の中で、いろんなことが
グルグル回り、
いつの間にか眠っていた。