真夏の白昼夢
ナツキはどんなつもりで俺のそばに居るのか、それは分からないけど。
俺の生活に無遠慮に入り込んで、当たり前に甘えて。
出会ってまだ数日なのに、居心地の良い空気を作ってくれる。
契約上の恋人。
その言葉がなぜか切なく胸に響く。
俺は視線をスクリーンに戻すと、左手をすっと伸ばし、ナツキの手に触れた。
気付いたナツキはためらいもなく俺の手を握ってくれる。
俺はさらに指を絡めた。
俺達は、恋人同士だから。