先生、執事、不良、幼なじみ、俺様……えーと、後なんだっけ。




…………。



宅配便なサインをがしがしと書きながら、夏月は少し落ち着くことにした。



心の温度を下げる。







「………よし」





騒いだら、負けだ。




自分だけ、騒ぐのもなんか悔しいし。







………しかし。




この宅配便は、何かおかしい。



と、言いますか。




段ボールが異様に大きい。


………人が入りそうなくらい。




伝票を見る。






配達品………先生。





「詰め込み教育っ!?」




…………いや、落ち着け。




何か、別の物だ。



ガタッ。



段ボールが、ひとりでに揺れた。




いやいや、人なんて入っ
ているわけがない。



ガタタッ、ガタ。





「…………」






とりあえず、ガムテープで、その段ボールをぐるぐる巻きにしておいた。




一見落着。




そう、見た目だけ。








< 10 / 55 >

この作品をシェア

pagetop