ホットレモンの憂鬱

「じゃあ、俺も言うから…、真愛も言ってよ？」

体勢が辛くなって前を向く俺の横顔に、痛いくらいの視線をぶつける真愛。

「…え？」

「え、じゃなくて、ほら早くっ」

「…大樹が、…好き」

聞こえるか聞こえないかくらいの、ほんと小さく言った。


またそれが可愛くて、愛しいなって思ったから。

気づいたら唇に、ちゅっとキスを落としていた。

長い長いキス。


ずっと笑っていて。

俺の隣で、優しく微笑んでいて。

遠くにいかないで。


そんな願いを込め、重ねた唇。


「ん…っ、…んん」

俺の腕を強く掴んで、苦しいと訴える。


だけど、まだ離さない。

俺を信じてくれたなかった罰だから、もう少しだけ…。


「んんっ…」

唇の隙間から漏れる真愛の吐息に、俺の神経が痺れ始める。