旦那様は高校教師

夏休み後半



登校日の翌日からは、またバイトが始まる。



「ほたるちゃん、明日この近くで夏祭りがあるんだけど、俺と一緒に行かない?」



休憩時間や昼休み、必ず岡本さんが売店へ来て遊びに行こうと私を誘う。



「私には大切な人が居ます。…だから行けません」



そう何度も言っているのに、岡本さんには通用しない。



「別に男がいたって俺は気にしないよ?恋人同志になれなくても、友達として付き合ってくれれば良いんだ」



岡本さんはニコニコ愛想を振り撒く。



友達としてって言われても、困るよ。



誰にも相談出来ないし、どうしたら良いの?



「よぉ!保。俺の大事な生徒を口説いてるんじゃないだろうな?」



怖い顔をした心ちゃんが売店へ駆け付ける。



う゛…怒ってるよね…。



ごめんなさい…私もどうしたら良いのか分からないの。



「俺、口説いてないですよ」



岡本さんは白々しい態度をとる。



「ホントか!?」



心ちゃんは疑わし目を向け、慌てる岡本さんの頭をグリグリした。





< 300 / 743 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop