同居ゲーム
「安心した。」


「え?」



思わず首を傾げる。



「まぁ、キスとかしてくれるとは思わなかったし。
俺もそんな勇気ないよ、まだ。
さっき、告白もスッゴい緊張したし、もう勇気ない。」



クックッと笑う海斗。



「見たところ、恋愛下手そうな由宇希が俺を好きって言ってくれただけで俺としては満足。」



照れたようにニッコリ笑う海斗が可愛い。



「あたし、確かに恋愛下手だけど嘘はつかないから。」



安心してね、と言うと、笑って頷かれた。



「俺もつかないから、由宇希こそ安心しな。」


「うん。」



もとから心配してないよ。



互いに笑い合う。



それからしばらく沈黙が続いた。



「じゃあ。」



先に口を開いたのは海斗だ。



「俺、行くわ。」


「あ、え、うん。」



ふいをつかれたので、声が裏返る。



……かなり恥ずかしい(/_\;)



「バイバイ。」



言われてもあたしは手を振ることしかしなかった。




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