フェザールスタの肖像
‡第6章‡夜咲鳥狩り
月下の森を横目に狩り場に馬を走らせる。
木々の間から見える城から

狩り場までの道はほのかに明るく照らされている。

猫の仮面を付けた少年達が立っているのだと思う。

あの道を行く訳でもなく、植物の間を進む私達。

腕の中から、王子の顔を見上げると、頭上に月。

月の光は、夜半に眠る丘領地を照らし、
隆起する地平遠く、小さな村の生活の灯りがみえる。

幾つもの明かりが揺れ、人々の声が聞こえ始めた。

草むらから昼間のごとく明かりを
灯された小さな広場に馬ごと躍り出たギュスターヴと王子と私、

悲鳴と驚きの声の中、貴族達の視線を集めている。

王子は無言のまま野外テントまで馬を進め、馬を下りた。

周りを囲む貴族達は一同に膝をつき頭を下げる。
貴族達は口々に王子に口上を述べて、一人が立ち上がり、
狩りの始まりを伝える声が響きわたった。

私はその様子を馬の上から呆然としながら見つめていた。

これは、本気で王子様なんだ、
本当にタイムスリップしちゃったんだよ。
今、一体何年なの?!

まばたきも忘れて見ていた所で
ギュスターヴに馬から下ろして貰う。

何だか恭しく手を取られ

「テントの中へどうぞ…」

さっきまでの態度とは裏腹に優しくエスコートして
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