スキ☆キス

名前を呼んで

 


桜舞う春、
彼の姿を見つけた。

彼の目はくりくりしていて、色白で、とても可愛らしい顔立ちをしていた。

それは女の私でもうらやましくなっちゃうくらい。



「さっきからずっとそこばかり見てるけど、どうかしたの?」



私は思い切って声をかけてみた。

彼は一瞬驚いた顔をしてから、直ぐ様にこっと笑って言った。



「うんとね、5組が羨ましいなって思ってぇ」



しゃべり方も女の子みたい



「どうして?」



私はすかさずたずねる。



「あのねーっ
"一琉"とか"和由"とか"結葉"とか珍しい名前の子ばっかりでしょおー?」



その中に、私の名前が入っていた。



「玖海、好きなんだよね珍しい名前の子ー」



ふわっと笑う笑顔に
私の名前を呼ぶ声に

一瞬で、恋におちてしまった。



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