スキ☆キス
 


場所は移動して、屋上



「お願いっ!!」

「えっ」



目の前には、顔の前で両手を合わせて頭を下げている達海。



「いや、急になに?てか顔あげてっ」



私が慌てて肩を叩くと、達海は顔を上げた。



「実はさぁ、今度母親の誕生日が近くて、エリーにプレゼント買いに行くの着いて来て欲しいんだっ」



なんだ、そんなこと?



「いいけど…
でも、それならクミタンと一緒に買いに行けばいいんじゃない?」



兄弟なんだし

お母さんの趣味とか知ってそう。



「でもほら、年とっててもやっぱかーちゃんも女だしさ、それなら女の子と一緒に選んだ物の方がいいかなって」

「まぁ、確かに…」

「それに俺、女の子の友達っつったらエリーくらいしか思いつかなくて…」



首の後ろを掻きながら、達海が言う。

まぁ、頼られて悪い気はしない…



< 89 / 208 >

この作品をシェア

pagetop