プリンセスゲーム
「所で飯田とは少しは打ち解けたかな?」

食後の紅茶を頂きながら、祖父の食事に付き合えば色々気遣ってくれる。

「はい。飯田さんにはお世話になりっぱなしで大変お世話になってます」

ドキドキ体験の連続に心臓にはよろしくないけど、結構楽しんでいる私が居る。

「ふむ。飯田には椛の事をしっかり面倒見るようにと言ってあるから、見事使いこなしてみなさい」

「はい…」

飯田さんみたいな笑顔が爽やかな人をパシリにしたら絶対ここのメイドさん達にいらがらせされるーなんて心の中で悲鳴を上げながらも、私専属の執事は私と目が合うとニコリと笑って

「誠心誠意を持ってお嬢さまにお使いさせて頂きます。
よろしくお願いします」

これで膝を折って、手の甲にでもキスを落としてくれたらカンペキなナイトだと、思わずに居られない自然で真摯な科白に私の心臓は壊れる寸前だ。
< 19 / 130 >

この作品をシェア

pagetop