また、君に恋をする

事故の記憶

6月7日。

由紀が事故に遭い、記憶を失う前日のページ。

そこには驚く内容が書かれていた。


『お母さん達の話を聞いちゃった…

私はお母さん達の子供じゃないんだって…

お兄ちゃんとも血が繋がってない。

兄妹じゃないんだから、きっと結婚だって出来る…

それは嬉しい

だけど…私だけが家族じゃない…

私、これからどうやって暮らせばいいんだろう…

大事にしてくれてるのはわかってる

本気の子供だと思って育ててくれてる事も

でも、違うんだよね?

私だけが他人…

お兄ちゃんに会いたい…

そばにいてほしい…

お兄ちゃん、会いたいよ…』


ここで日記は途絶えた。


「血の繋がりがない?」


由紀は激しく動揺した。

胸の奥がざわつく。

目に見えない何かが押し寄せてく、飲み込まれてしまうような不安がよぎる。
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