また、君に恋をする
そんなある日、勇人の元を一人の女性が尋ねてきた。

黒く長い髪。

色白で細い手足。

和風美人といった面持ちで、凛としたたたずまいをしている。

由紀が紅茶を出すと、綺麗な笑顔でお礼を言う。

丁寧な言葉遣いに立ち居振る舞い。

きっと誰もが恋をするんじゃないだろうかと思う女性だった。


「お久しぶりね、由紀ちゃん。

体の方はもう大丈夫なの?」


声まで透き通る様に綺麗だ。


「…はい」


由紀が少し恥ずかしそうに答えると、ニッコリ微笑んだ。


「高橋、どうした?」


勇人がやって来ると、女性の目は勇人にだけ向けられた。

恋をしている目。

由紀はそう感じた。

自分を見つめる勇人と同じ目に思えた。

二人を眺める由紀に、勇人はさりげなく女性を紹介してくれた。


「高橋 和美さんだよ。
俺と同じクラスだったから知ってるよな?」


片目で小さく合図を送られ、由紀は小さく頷いた。

和美…日記で何度か出てきた名前。

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