スイーツな恋
「陽菜、どうするの?」

「……」


「彼、よさそうな人じゃない。この際、つきあってみなよ。いいかもよ。」
塔子ちゃんはひやかすように言う。
わたしは、無言で下をうつむいた。

告白なんてされたのはじめてだし、嬉しいかもしれない。
でも、怖い。

翔馬の顔が横切る。

しばらくひとりになりたくて塔子ちゃんから離れてうろつく。

自然に足が非常階段に向かっていた。

非常階段が見えてきた。

非常階段の下にくると、彼のことを思い出す。

翔馬とすごした日々が夢のようだ。何年も昔に感じる。

もう、あの楽しかった日々は帰ってこないのだ。

わたしも翔馬も変わってしまった。

もう、翔馬のことはあきらめるしかないのかな。




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