笑顔

突然、車が私の方に突っ込んできた。
そして、私にぶつかったんだ。
でも、車とぶつかるとき、南が私を助けようとこっちに飛び込んできたのは、分かった。

私が目を覚ましたのは、お昼の午後1時を過ぎた頃。
「乙女、目を覚ましたのか!?」
遠くの方からだんだん近くによってくる声がして、そっちの方を向くと・・・、大泣きしているみんながいた。
「私は・・・」
「乙女は、車にはねられたんだよ・・・・・。」
雪が泣きながら言った。
「でも、南が庇ってくれたから大ケガしなくてすんだんだよ。」
タカトも泣きながら言った。
南が庇ってくれたから・・・、私死ななくてすんだんだ―――。
「南は!?南はどうしたの!?」
私は、はっと思った。
「大丈夫だよ。南は、さっき目を覚ましたよ。」
雅人兄さんが泣きながら笑顔で言った。
「良かった・・・。」
私はホッとしたら涙が出てきた。
「本当に良かったぁ(泣」
「ごめん。私が、負けたらコンビニいけとか言ったから…」
雪が、泣きながらいった。「大丈夫だよ!それより南に謝ってこなくちゃ。」

私が、ベッドから起きようとすると
「…505号室。…今は行かないほうがいいよ。」

枢が言った。
みんなうつむいた。
なんで?

「…なんで?」
「…」

私は、まだ痛む体を必死に引きずるようにして、隣の505号室に入った。

その瞬間。時間がとまったようだった。

南の目には、包帯が巻かれてあった。
私は、南に近づいて床に座った。
するとみんなが来た。

「…南…目が見えなくなったんだ。」

雅人兄さんが言った。
私は、泣きくずれた。
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