笑顔

転入生

「乙女ー雪ー!!」
美香が飛び込んできた。

「ウチのクラスに記憶喪失の転入生が来るらしいよ!」
「マジで〜?!」
私と雪がそろえるようにして言った。
「それ、俺も聞いた!!転入生は結構かっこいいってうわさだぜ?!」
そう言ったのは、私と雪の幼なじみの枢。


枢は、男女問わず人気だった。


「男だったんだ〜」
「玉の輿かな〜?」
乙女がきいた。
「さあ、俺が知るか!」


キーンコーンカーンコーン

予鈴が鳴った


教室の扉が開いて
「おーい、予鈴鳴ったぞー。早く座れー。」
と、担任の藤林先生が言った。
その藤林先生のうしろに誰かいるのが見えた。

「今日は、転入生を紹介する。入って来い。」
「はい。」
そう言って、一人の男の子が入って来た。

「山下南。よろしく!ちなみに〜知ってると思うけど、俺記憶ないんで!!」
「紹介はそれぐらいにして席つけ。」
「はーい!」

かっこいい。
でもずいぶんちゃらけてるなぁ…
ちゃらけてるけど…なんか悲しそう。
どうしてだろう。
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