左手の約束



ドクン


「楓くん……?」


まさか……


「うん。
あたしがパニックで何も出来ないでいたら、楓くんが走って来て…
すぐに志保子を抱き上げて保健室まで運んでくれたの」


「う…そ……」


「嘘じゃないよ。

…楓くんは志保子の事覚えてたんだね。
A組がいた場所からだと遠かったはずなのに…
ずっと見ててくれたんだね…」


すでに涙を流してるあたしの背中を麻美はずっと撫でてくれた。



「麻美…」


「志保って呼ばれてたんだ?」


「ん……」


楓くんはあたしの事をそう呼んでた。





本当に


夢じゃ


なかったんだ……












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