君との期待値
「いいネタになるだろ」
そう言うと彼の大きな瞳が近づいてきた。
瞳が混じり合う。
緊張なのか怖さなのか分からないけど、体が固まって動かない。
どうしよう。
嫌なのに……体が動かない。
こんな簡単に、ファーストキス取られたくない。
そう思っているだけではどうにもならず、
彼の整った顔は私に向かってみるみる近づいてくる。
誰かっ……。
「ストップ」
赤羽くんの顔の両サイドが誰かの手で抑えられ、私たちの距離が一定に保たれる。
彼はそのまま首だけ反らして自分の頭を捕まえる人物を確認する。