thermos
ミハエルは力を解放した。

辺りが光に包まれ、ミハエルが結界を解く頃には辺りには何も見当たらなかった。


ミハエルは一息つくと主の待つ屋敷に急いだ。

ユサの状態が心配だった。



*********

血のむせ返るような匂い、喉が渇く。

本能に逆らえず、牙を無意識にギラつかせ目の色は真っ赤だった。

コンコン
ドアがたたかれる。

遠慮の言葉も無しに入って来たのは、ユエだった。

手には血まみれで真っ青の由沙。

キングロスはこの血の匂いに納得し、ユエから由沙を受け取るとユエは部屋から出て行った。



キングロスは
《この匂いはまずい、あいつらでも危ないな》

て呟き、強力な結界を部屋に張った。


魔界はちょうど昼だった。


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