夢信号
悪夢
ひたひたひたひた・・・・・


濡れたような、湿っているかのような足音。



遠くの方から聞こえるのだが、真後ろにぴったりくっ付いているような感覚。


そこに何がいるのか。



人間なのかどうかさえ分からない恐怖。



「ついてこないで!!!」


精一杯叫ぶも、振り返る事すら出来ない。

その叫びも虚しく、未だに鳴り止まない足音。



そして背後に感じる妙な生暖かさ。



今自分が何処にいるのかさえ分からず、ただ闇雲に走り続ける。

不思議と疲れは感じず、ただ気がかりなのは足取りがおぼつか無い点。

普段のように軽快に走る事が出来ない。



まるで、スロー再生しているかのような・・・。


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