カワイイ娘のカ・ガ・ミ


 その日、外は朝から雨。


 予報だと降水確率90パーセント。

 前日の夜から雨が降っていたから皆傘を差している。


 通勤中の人たちは歩く方向が一緒。

 地下へと伸びる階段で傘を閉じ、水滴を振り落とす通勤客が目立つ。


 私も皆と同じく傘を振った。


「お母さん、冷たい!」

 手を引いていた娘が膝上辺りからカワイらしく叫ぶ。


「ごめん」

 私はペロッと舌を出して娘に謝った。

 ちょっと焦っていて娘のことを一瞬だけ忘れてしまっていた自分に反省。

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