俺のココ、あいてるけど。
 
梅村綾は得意気に語る。

まるで、自分が恋のキューピッドでもなったかのように・・・・。


「それでね、あとで未来さんに聞いたら、前に一緒にバイトしてた人で、社員研修で再会したんだって♪ なんか運命感じません?」


そして、そう同意を求める。


「いや・・・・それはどうだろう。ただの“偶然”だろ」

「ふぅ〜ん。まぁいいや!せっかく彼氏ができそうなんだから、登坂さんは未来さんの邪魔しちゃダメですよ♪」

「関係ないし、俺」

「そっかぁ♪ じゃあね!」


一通り話すと満足したようで、梅村綾は仕事に戻っていった。

一体、どうして梅村綾は俺に長澤のことを逐一報告するのだろう。

・・・・変な奴だ。





でも───・・。





長澤が合コン・・・・。
長澤に彼氏・・・・。

胸がチクチク痛む。


“合コンになんか行くな”
“彼氏なんか作るな”

そう、心の奥で叫んでいる自分がいる。声もはっきり聞こえる。

このとき確かに感じたのは、その男に対しての“嫉妬”だった。
 

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