俺のココ、あいてるけど。
 
『未来、誕生日おめでとう!そういえば、マイルドセブンの効果はあれからどう?』


誕生日の夜、小百合が電話でお祝いをしてくれて、そう聞かれた。

そのときあたしはものすごく落ち込んでいて、泣きながら小百合に話したんだ。


効果があるどころかマイナスで、ずっと顔が怖かった、と。

それは前の日の飲み会の辺りからで、自分には不機嫌な理由が全然分からない。

綾ちゃんというバイトの子が登坂さんのことを好きで、何かにつけて「登坂さん♪」と駆け寄っていく姿を見ると胸が苦しい。

でもあたしは“おとなしくしててください”と釘を刺されていて、どうすることも・・・・。


そんな話を延々した。

そして最後に、あたしは勇気を振り絞って告白をした。


「あたし、きっと登坂さんが好きなんだと思う。誰にも負けないくらいに・・・・」


それを聞くと、小百合は言った。


『未来もちゃんと恋してるんじゃん。私、ずっと心配だったんだ。安心したよ』


それから・・・・。


『もっと素直になりな』


そう言ってくれた。
 

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