俺のココ、あいてるけど。
 
いやいや、そうじゃなくて!

水着を選ぶ1時間ほどの間も小百合はどこかで見ていた、っていうことでしょ?

気づかなかったあたしもあたしだけど、そんな探偵みたいな真似をする小百合も小百合。

いくらあたしが初めて自分から好きになった人だからって・・・・。


「なんで騙してまで登坂さんと2人きりにしたの? あたし、そんなの頼んでないよ?」


楽しそうにワインを飲む小百合に半ばやけくそに聞いてみる。


「だって夏休みじゃん。ちょっと弾けてみたくてさ。ごめんね♪」


でも、小百合は謝る気が全くないらしく、ワインに舌鼓を打つ。

ここでも話は噛み合わない。


「はぁ・・・・。夏休みも弾けるのも小百合だけでいいでしょ? あのあとすっごい恥ずかしかったんだから!」

「でも、未来も登坂さんも楽しそうだったよ? 未来は楽しくなかったの?」

「それは・・・・」


ドキドキしたし、胸がキュンキュンしたし、店員さんに“彼氏さんのも───・・”って言われて泣きそうなくらい嬉しかった。

涙を隠すのが大変だったくらい。
 

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