俺のココ、あいてるけど。
 
「じゃあ、あたしはここで。あの通りを真っすぐに行けば2〜3分で駅ですから」

「すみません。何から何までお世話になっちゃって・・・・。本当にどうもありがとうございました」


それから約10分。

来たはいいけど駅までの道のりが分からなくなったという歩美さんを送りながら、お目当てのコンビニにまで来たあたし。

歩美さんは何度も何度もお礼を言って、おまけに手まで振って帰っていった。


「方向音痴なところもちょっと似てるかな」


あたしは、歩美さんに手を振り返しながら苦笑い。

きっと夢中で登坂さんの部屋を探していたんだよね。

歩美さんって、なんて友だち思いの人なんだろう。あたしもそんな人になりたいな・・・・。





歩美さんの姿がなくなると、あたしはさっそくコンビニに入った。

9月といっても夜はまだ少し蒸し暑い外。クーラーが心地いい。


その涼しさに居心地のよさを感じながら、それでも適当にお惣菜を買って外に出ると、また蒸し暑い中に逆戻り。

部屋に着いたら、ご飯を炊く間にかいた汗を流さなくちゃ。
 

< 293 / 483 >

この作品をシェア

pagetop