俺のココ、あいてるけど。
 
「はぁ・・・・」


口を開けばため息ばかり。

仕事は支障なくとはいかないまでも、なんとかできている。

けれど、掃除や洗濯、料理・・・・自分の身の回りのこととなると、全くできていない。


しているのは、いつ問い合わせても『0件』と表示される携帯のチェックくらいで。

いい加減、振られた事実を受け入れないといけないけれど、理由が分からなくてできずにいる。





あの日の、別れを切り出されたこと以外はいつもと変わらなかった帰り道・・・・。

あたしの部屋の前で車を停めると綾ちゃんと同じことを言われた。


「自分に嘘をつくなよ」


と。

それから・・・・。


「俺ができるのはここまで。もっと見ないといけない人、俺のほかにいるんじゃない?」


登坂さんのことを言っているのはすぐに分かった。

直接言ってはいなかったけど、あたしが一喜一憂する原因はいつも登坂さんだったから。


でも、それはもう過去で、モッサ君を好きになりながら整理をつけていったことだった。

それなのに・・・・。
 

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