俺のココ、あいてるけど。
 
店長のあの呼び出しは、きっと一刻も早く今のことを聞きたかったからなのだろう。

放送まで私物化して・・・・と、誰のために買おうとしたものかも知らず、満足そうにコーヒーをすする店長を見ながら思う。


けれど、こんな店長の下で働けていることを誇りにも思っている。

願わくば、俺も店長の下でずっと働いていたい・・・・。


「そうだ、ときに登坂」

「はい?」


コトッ。

コーヒーカップを置いた店長は、さっきとは打って変わってキラキラとした目を俺に向けた。


「アッチのほうはどうなんだ? うまくいったか?」

「!? ・・・・げほっ、げほっ。アッチってどっちですか」


自分用にも買ってきたコーヒーが喉の変なところを通っていった。

危うく吹き出すところだったじゃないか、店長め。


「ほぅほぅ。分かってるくせに」

「分かりませんよ、そんなの!」


とは言ってみるものの・・・・。


「何があったのかは知らんが、修復できなくなる前に言えたのか? 思っているだけじゃ相手に伝わらないんだぞ?」
 

< 396 / 483 >

この作品をシェア

pagetop