俺のココ、あいてるけど。
 
“なんだ、そういうことだったんだ”って安心したら、急に笑いが込み上げてきちゃって。

「笑うとこじゃないっ!」なんてモッサ君は怒っているけど、どうにも止まらなくなってしまった。

本当、あたしって失礼な人だ。


「なんだよも〜、だから言いたくなかったのに・・・・」

「ごめんごめん。ぷっ!」

「笑うなっ!」


モッサ君は髪をわしゃわしゃと揉んで、無造作ヘアが台無しに。

あたしはまた、その姿にも笑ってしまって・・・・。





でも───・・。


「これ、旅行先の神社でたまたま売ってて。長澤にやる!」

「えっ? わっ!」

「開けてみて」


ぽーんと投げられたのは、小さな紙袋に入ったお守りだった。


「これって・・・・」

「“恋愛成就”って書いてあるだろ? ご利益すごいらしいから、登坂さんの分も」

「・・・・」


わざわざ買ってくれたんだ・・・・。


「あと、こっちは綾ちゃんね。あの子もいろいろあるだろうし」

「う、うん。ありがとう」

「んじゃ!」
 

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