俺のココ、あいてるけど。
 
小百合の彼氏はあたしも何度か会ったことがあるけど、みんな“ぽっちゃり君”じゃなかった。

服の上からでも引きしまった体が分かるような人ばかり。

その小百合が次に好きになったのが、しかも片想いなのが“参っちゃったよ”なんて言うその彼。


恋って、いつ始まるのか、どこで始まるのか、どんな相手なのか、自分でも分からない。

想像もできないから、難しいけどすごく素敵なんだよね。


『なによ、その“へぇ〜”って!バカにしてんでしょ!?』

「ううん!幸せが伝染してるなぁって思ってね」

『幸せが伝染?』

「うん。小百合にはまだ言ってなかったよね。実はさ───・・」


実は、幸せなのはあたしたちだけじゃないんだよね。


─・・

──・・・

───・・・・


明けて翌日。

モッサ君から預かったお守りを渡す、ということをきっかけに、今まで距離を置いていた綾ちゃんと久しぶりに話ができたんだ。

今小百合に話していて思うのは、モッサ君は綾ちゃんとあたしの微妙な関係もお見通しだったんじゃないか、ってこと。
 

< 459 / 483 >

この作品をシェア

pagetop