クローゼット
そのあとも話は止まらなかった。
会社の話。彼氏の話。こないだ見た映画の話。
ナオと過ごしている時は時間がたつのがとても早く感じられた。

「あ!もうこんな時間!旦那さん大丈夫?」
いつの間にか終電ぎりぎりの時間になっていた。

「あ~平気平気。あっちもたぶん残業。それより美咲の終電がやばいね。そろそろ帰りますか」
「うん!」

ほろ酔いでいい気分になりながら、私達は店を出て歩き始めた。
ナオに会う前はあんなに気持ちが沈んでいたのに不思議なものだ。

「あ~、なんかナオに話したら少し楽になった!私このいやな気持ちとうまく付き合って頑張るよ。これが私なんだもんね、ありがとう」
「それはよかった。いい?私はいつでも美咲の味方だからね。何があっても。また何かあったらお店においで。あっ、もちろん何にもなくても来てくださいね、お客様」
「あはっ、わかりました。またね~!」


そう言って私達は駅の改札で別れた。
いつもの別れだ。
また会おうと思えばいつでも会える。



だがその後、私とナオが会う事は二度となかったのだ。
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