material girl

儚いモノ



日曜日。

あたしは、桜井龍也という人の住所に向かっていた。

あたしのおじいちゃん、おばあちゃんが昔住んでた街。

ママの同級生ってことは、もうとっくに家なんて出てしまっているだろう。

結婚して、家族がいてもおかしくない。

頭では分かっていたけれど、あたしは、あの手紙を書いた彼が、まだママを思っていてくれることを期待していたのかもしれない。

本当の愛というものを、見てみたかったのかも。

離れていても、永遠に思いは変わらないって…


心の奥底では、本当はずっと信じてみたかった。


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