material girl


着いた場所はどこにでもありそうなオフィスビルで。

由梨は慣れた感じでそのビルに入っていく。

「由梨っ!」

ロビーで待っていた女の人が由梨の名前を呼ぶ。

「真希、突然ごめんね。」

「ん、大丈夫。ちょうど休憩入ったとこだし。」

由梨が笑顔で話す相手が、先ほどの電話の相手であることはすぐに分かった。

「で、早速本題に入るんだけど。彼女、どう思う?」

「は!?」

あたしを指さして、真希という子に尋ねる由梨に、あたしは素っ頓狂な声を出してしまった。

「さすが由梨。イメージ以上だよ、彼女ならヒット間違いなしね。社長も即OKくれると思う。」

!??

二人で頷きあう中、あたし一人状況が掴めなくて戸惑う。

何の話しよ!?

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