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道しるべ

むなしさ


 あたしは、今も泣いている。

 青い空とともに、笑っているあなたが、望ましくみえた。



 雨のように、いつでも流せたらどれだけ楽だろうと。
 あなたと一緒に居た頃のように。



 あなたと二人で歩いてきたこの、「道しるべ」が
 雨のように、流れているのに・・・。


 


 花びらが、男を捨てるように枯れていく。

 あなたが、笑うようにあたしも笑い。



 あたしが、泣くようにあなたも泣いた。





 
 当たり前がないことぐらいわかっていた。


 だからこそ、当たり前ということもわかってた。







 紅いはずのあなたの口が、あなたのあの声が、
 
   あなたのあの温もりが、あなたのすべてが、






    モノクロだった。




   逃げていた過去が追ってくる。


  もう、逃れられないといわれているようだった。







   海の中に沈み、苦しくなるまで待っていても、


    そのときがくれば、逃げてしまう。


  お前はまだ生きているのだと、思い知らされただけだった。

      馬鹿なあたしにも、これくらいはわかる。


    あたしは、あなたが居ないと駄目なんだ。







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