―雪女郎―  風鈴
「金山総次郎。金山屋の若旦那。だがな・・・その実態は、遊女に貢がせ、最終的には殺してしまう、という卑劣な手口だった。」







「先秦倶の元花魁、華徠もその被害者の一人だ。」






(母さん・・・)






「証拠はなく、今回は風鈴の申し出で、幕府と連携し・・・金山を逮捕した。」






「・・・知ってたんですか?」






涙に濡れた瞳で、凪雛を睨んだ。





「風鈴姐さんが殺されること・・・姐さんは知ってたんですか?」






凪雛は何も答えなかった。






「なんで・・・行かせたんだ?殺されると分かっていて、なんで行かせたんだよ??」







凪雛に向かって、雪月は怒鳴った。






「・・・・・・から。」







「風鈴が、それを望み、幸せと言ったからだ。」
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