I pray 信じて……

Gift

さて、話を元に戻して……カスミはサトシの腕を引っ張った。二人が向かった先は公園だった。滑り台があって、砂場があって、鉄棒があって、ジャングルジムがあって、夕日がもうすぐ沈んでしまうくらいの暗さなので遊んでいる子供たちは既に帰っている。カスミはサトシを公園のベンチに座らせ、カスミもベンチに腰を降ろす。

カスミは体をサトシの方に少し傾け、「渡したいものがあるの」と言って鞄のなかから「必勝祈願」と書いた御守りを取り出した。カスミは左手をサトシの右手に乗せ、その手の平に御守りを置き、その上からもう片方の手を重ねた。
「明日応援にくるから、絶対勝ってよ!」
「あぁ。カスミ、サンキュー」
カスミは重ねたサトシの手をギュッと握るとサトシは握られていない方の手を重ね、ギュッと握り返した。
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