斜め前の君
近すぎる顔に後退りしようとするも、腕を捕まれているからそれは叶わなくて
「っ……」
小さく強張る体
潤み出す瞳に
思い出す、昨日の出来事
そんな莉沙の様子を見た大輔は一瞬、寂しそうな暗い表情を浮かべる。
そして、パッと体の向きを変えて
「盗られたら、盗り返さなきゃだろ」
と呟いてまた廊下を歩いていく。
盗り返すのなら、彼女を盗り返すべきじゃないか
と大輔の答えに納得出来ないまま莉沙は黙って彼の後ろに着いていった。