同居人は…先輩…!?【前編】



薫が居ない薫の部屋で俺は呆然とした。



自分の吐いた言葉が何回もリピートされた。



薫の潤んだ目が頭から離れなかった。



俺の予測では、多分昨日俺は酔った勢いで薫にキスした。

しかもそれは多分初めて…。


驚いた薫は、いや…好きでもない奴に初めてのキスを奪われた薫は、泣き疲れて布団も被らず寝たんだ。



しかも、俺は覚えてない。

最悪だ。


薫の気持ちも考えずに。


俺…今何してんだろ…?


薫探しに行かなきゃなんねぇんぢゃねぇのかよ!?


拒絶されたら…?


そう思ったのはほんの一瞬。

俺はジャージ姿で家を飛び出した。


『この気持ち伝えたい。たくさん謝りたい。』


その気持ち一心で…。


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